2011,7,24.
毎日書道展の毎日賞解説を聴く。 (仮名・近代詩文書・前衛書)
13:00?14:00 (仮名) 桟敷東石先生・酒井美春先生
爽やかな線、きりりとした細線、豊かな線で作品を収めている。
線の強弱を表現し、麗しい線を出している。
濃淡による立体感、しなやかな流れが出ている。
美しい紙を効果的に使用し、心地良い作品に仕上げている。
4行書きの流れがきれい。
?? 濃墨の力強さと潤渇の美を表現し、丁寧な線で書作された。
ゆっくりの書き方で強さがある。
素直な筆運びや自然な流れで、絵画的に表現。
和やかに品格のある字で表現。
上下に句を配置して、統一感がある。
14:00?15:00 (近代詩文書) 永守蒼穹先生
書の鑑賞の仕方を含め、戦後金子鷗亭先生が
「書は読める事が大事な事」と提唱された。
現代の息遣いを現代に生かす事。
高度成長とともに伝統的な物をプラスして。
昭和30・40年代 漢字は青山三雨先生や村上三島先生が
ご活躍の時代の為、ご苦労された。
漢字は骨格的で、仮名は丸みを帯びている。
自分の信念を信じ、新しい視覚であきらめなかった。
昭和40・50年代? 毎日書道展で「近代詩文書」
日展・読売書道展で「調和体」になった。
スーッと歩いて足を止める作品に出合ったら、
自分の目で見る、第2次鑑賞をする。
U23は23才以下で、漢字仮名交じり書、
若いエネルギーあふれ錬度の高い作品4点。
表現方法として漢字仮名が融合し老錬な作品。
難しい渇筆部分をふっくらと書いている。
線質に粘りがあり、密度の濃い作品。
潤いがあり、飽きが来ない作品。
撰文する時、自分の好きな文字と
柱のある作品になりやすい字とは違う。
リズミカルで爽やかさがある作品。
墨色を生かしている、余白の充実。
行の流れ、線のふくらみがある。
15:00?16:00 (前衛書) 東原吐雲先生
「ドーナツの穴」というコピーを配布下さる。
「白を汚してはいけない」「自分の気持ちを線等で表現する」
書く前と違う白を求めて書く、前衛書。
白がきれい、余白とは余った白ではなく、
黒で書かれた意味ある余白。
古典そっくりに書いて、読めるようになる努力をする。
風土性があり、北海道は強い物求める傾向があると思う。
淡墨は、「松煙墨・・・青味の黒」「菜種・・・茶系の黒」の墨を
ねばねばに磨って宿墨させてから薄める。
(2?3カ月 15?16℃)
熱い思いを線に表現。
渇筆は誤魔化しが効かない、宇宙スケールの大きい作品。
文字から出発の書とそうでない書とある。
濃淡で立体感を出す、骨と筋肉の様に。
1+1=2 という答えでない前衛書である。
人によって「好き」「嫌い」で良い、幅がある。
1つの塊より3つ4つの塊の方が難しい。
命をつなぐ3文字作品。
用具は問わない、必要な線、綺麗な白の前衛書。
感想:何か目からうろこの3時間でした。
3時間ずっと立っていたので、疲れたー。
2011,7,23.
毎日書道展を観に行く。
13:00? 特別展示「宇野雪村の美」ギャラリィートーク
(山本大廣先生)のトーク
宇野雪村は1912年(明治45年)に生まれた。
今回の展示で24歳と37歳の時の作品が原点と言える。
当時(前衛書)という概念はなく、書の新しい学び方とか
書の前衛とかいい、書の分野において線で発展すると考えられた。
アンフォルメダとかアクションペインティングと表現している。
途中までで、揮毫に移動
14:00? 仮名・近代詩文書・前衛書の席上揮毫を拝見
仮名(小野蕙厚先生)
きりっとした線で緊張感が溢れていた。
仮名(原田弘琴先生)
流麗な線が素敵でした。
近代詩文書(赤澤寧生先生)
松煙墨を磨り薄めた青薄墨を使われた。
48万円もする筆だそうです。
近代詩文書(後藤武之先生)
対照的な濃墨で書かれ豪解でした。
前衛書(倉林紅瑤先生)
細くて長ーい筆を2本使い龍の形を表現された。
古代文字が好きで題材に選ばれるそうです。
師匠からは美しく緊張感のある書を目指しなさいと
指導を受けたとか。
司会の永守蒼穹先生は、
最後に質問が出て来なかったので、日本人の奥ゆかしさの話をされた。
{フランスで毎日書道海外展をした時、フランス人は両手を挙げて質問した。
70歳くらいの先生が半紙に揮毫をされ、そのフランス人は
「その作品はおいくら?」と聞いたそうです。
ある先生が「5万円です」と答えたそうです。会場から「えっ」とため息。
(こちらの先生は70歳位ですから、それまで60年間の蓄積された
経験と実績を鑑み、それにこの作品を揮毫するに当たって
何千枚も書かれたはずです)と説明された。
この時、香石もその会場にその場に居合わせた。
会場の関係で限られた人しか入れなかったが、
香石は、温知会のカメラマンとして仕事をしました。}
その後、お一人の方が質問。
前衛書を書くに当たっての勉強方法は?
倉林先生は「師匠から古典を徹底的に指導されました」と。
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